自然ウォッチングの本 特別展 2月~5月 〜 リラクゼーション丹後(10) ~

自然ウォッチング  特別展  2月~5月

〜リラクゼーション丹後(10)~

~リラクゼーション丹後 スッキリして元気になって帰ろう~

まちまち案内所(峰山町)の「丹後人本棚」にて、自然ウォッチングの本 特別展 2月~5月”を行います。自然景観保全で高名な小泉武栄先生および自然観察会関連の本を出品しています。

丹後はジオ―パークに登録されてます。活用し保全していくうえでも、選定委員でもあった小泉武栄先生を是非知っていただきだいです。

東京学芸大学名誉教授の小泉武栄さんに聞く、山がもつ自然の魅力と楽しみ方

https://www.eic.or.jp/library/challenger/055/

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自然ウォッチングの本 特別展 出品案内

・日本の山はなぜ美しい 小泉 武栄著

・山の自然学 小泉 武栄著

・ここが見どころ 日本の山―地形・地質から植生を読む (列島自然めぐり)   小泉 武栄著

小泉武栄先生は東京学芸大名誉教授で自然地理学の権威で、山の自然学を探求され、また自然保護、自然景観保全に活躍され、国立公園会理事、自然保護協会評議員、ジオパーク委員会委員を歴任されています。

私は一般人がフィールド研究者を支援する団体(earth watch Japan)を通じて、先生の木曽駒ケ岳の調査に参加したことがあります。(調査に参加といっても一日中風速計をもっていただけですが)

小泉先生は温和で研究者というより話の面白い学校の先生といった感じの方でした。いっしょに歩いていると、「なぜここにこの岩があると思う?」といった質問がどんどん出てきて、ボケーと歩いていた私は恥ずかしいかぎりでした。

小泉先生の自然保護、自然景観保全に対する思いを著書から以下に引用します。

「私は自然を破壊すると今に自然から復讐されるよ、という言い方は好きでない。あまりにも人間本位のものの考え方だからである。しかし今のままでは不本意ながらそう言わざるを得ない。たとえば森林の伐採やゴルフ場の造成などで山を荒らす。すると川に土砂が出るから、砂防ダムをつくったり、川の護岸工事をせざるをえなくなる。そうすると次は山から海に出る土砂が減るから、今度は海岸が寝食されやすくなり、それを防ぐために海岸の護岸工事を始める。何ともやりきれない、ひどい悪循環である。こうして日本中至るところがコンクリートで固められてしまう。

砂防ダムの建設でイワナやヤマメは確実にいなくなるし、護岸工事によっても川の生物はすみかを失う。栄養分や鉄分が海へでなくなるために、海の魚に悪影響が出ることも懸念されている。またダムによって、サケやマスは川を遡上できなくなるが、そのことは山奥に住むクマやフクロウの餌が無くなることを意味している。こうして連鎖反応的に自然がだめにされていく。」

「自然破壊をやめさせるには、『土建国家日本』といわれる政治・経済の体質を変えたり、林野庁の独立採算制という制度を変えたりすることが必要である。しかしこれは国民全体の意識が変わらなければならいから、ことは簡単でない。

では、私たちに何ができるか。今私たちに出来ることは、日本の自然がいかにすばらしいかを明らかにし、それを国民すべてに知ってもらうことだと思う。」

※「日本の山はなぜ美しい」小泉 武栄著 より。

・観光地の自然学―ジオパークでまなぶ  小泉 武栄著

小泉先生のところには大手観光会社から来た助手の方もおられて、先生の自然地理学は観光業界でも注目のようでした。以前ジオパークの伊豆大島で出発までの短時間でタクシー観光したとき、三原山の噴火やその痕跡を見せてくれたり、噴火前後の暮らしぶりを自分の言葉で説明してくれて大変楽しかった記憶があります。

丹後の立岩について、これは1500万年前日本海が割れて日本列島が現在の位置に移動したときのモニュメントだと評されています。そしてさらにその柱状節理は半島北部に続いているとのこと。海岸部はあくまでもそんな一部で、丹後半島全体が1500万年前のモニュメントなのかもしれません。

海岸沿いの道路でなく、縦貫林道の方を通っているとジオパークに選定された雄大な景観を想像することができます。丹後の山側も、同じジオパークの伊豆半島や伊豆諸島と同じようにもっと観光開発されたらいいのにと思うのですが。

ジオパークはあくまでも地理のテーマパークです。小泉先生の定義をもう一度確認します。

「ジオパークはユネスコが提唱した、世界遺産の地形・地質版で、科学的に貴重な地形・地質や、景観として美しい地形・地質を生かした『大地の公園』です。しかしその内容は地形・地質だけにとどまらず、地形・地質の上に成立した特異な生態系や人間がつくり出した生活様式、棚田のような文化景観、あるいは神社など歴史遺産も含みます。」

丹後半島の自然の中での、暮らし、文化、歴史も実はもっと誇れるものかもしれません。

画像の説明

・京都府自然観察地図  自然観察指導員京都連絡会

小泉先生のボランティア体験の影響もあって、その後自然観察指導員の講習を受け、京都連絡会に所属しました。転勤まで3年間ほどでしたが、指導員も参加者も関係なくみんなで自然を楽しもうという雰囲気があって、観察会は楽しかったです。特に目が不自由な方の観察会では、解説はいっさいなくただただ自然を感じれるように同伴して歩くだけなんですが、皆さん大変満足して帰られたのが印象に残っています。

 

「私たちの自然観察会は、『きいて、さわって、みて、かいで』をモットーに、知識よりもまず感性を大切にして、自然に親しみ楽しむことから始めます。野山に出て四季折々、そこに住む植物や虫や野鳥やキノコなどに触れ、その命の輝きや多彩な営み、自然の仕組みを理解する。やがては、ふるさとの美しい自然をかけがえのないものと考える・・・そんな人々の輪を広げていく事を目指しています。」

※「京都府自然観察地図 あいさつ文」より

京都府自然観察地図は先人の成果で、丹後地域のマップあります。ただ、20年前の出版なので今と変わっているかもしれません。

・気持ちがスーッとラクになる生きるヒント  ポール・スミザー著

イギリス人ガーデンデザイナーで、BSで放映さていたナチュラルガーデン作りの番組の大ファンでした。

スミザー氏によれば、毎日ガーデンを見ていたら、ありのままに生きる植物が僕らの悩みに答えるという。その日本人にはない目線が面白いエッセイ集です。

・葉っぱ博物館  亀田隆吉・多田多恵子著

図鑑は分類後の個別の植物ついて記述が普通なのですが、この本は葉っぱの形から植物の分類自体を楽しむ本となっています。植物の知識ゼロでもどんな植物なのかフィールドで知ることができます。また、ただ本を眺めているだけでも楽しいです。

・蝶ウォッチング百選  師尾 信著

“おさななじみ”モンシロチョウ、“町の看板娘”ベニシジミ、など自分で愛称つけているのが面白いです。蝶は昆虫採集として大人気でしたが、今や採るから撮る時代になりました。筆者は地面を低く飛ぶ蝶を夢中になって追いかけているうちに、地面の雑草に華憐な花を咲いて気づくようになり、蝶が飛び回る自然全体が素晴らしいと思うようになったという。そんなエッセイ風の図鑑が面白いです。

・木の見方、楽しみかた ツリーウォッチング入門  八田 洋章著

樹木の四季や生長をウォッチングしよういうユニークな書です。小学生に6年間一本の木を担当させる小学校を紹介されていました。丹後は落葉樹が多く、樹木の四季の変化を見ていく面白さがあります。

画像の説明

・植物と行事  湯浅 浩史著

節分にはヒイラギですが、これはギザギザの葉が鬼の眼をつくからでなく燃やすと大きな音がでるからです。本来節分は冬が終わり農作業の準備を開始する儀式です。農業にとっての敵は虫でいわゆる鬼にあたります。虫を追っ払うためヒイラギを燃やしたのが、節分のヒイラギの由来となっています。(本書籍より)

そんな由来を知って行事をすると、行事自体もその植物も違って見えてくることでしょう。

・植物の雑学辞典  大場 秀章著

観察会では、興味づけのためクイズをやっていました。答えは3択で私はいつも人を笑わせるアホな回答者役でした。この本はそんなクイズのネタ本です。通読されるのでなく、一旦タイトルから答えを考えてみて、読んでみて下さい。

・身近な樹木ウォッチング (株)雅麗制作

自然ウォッチングを街路樹、公園の木、庭木から初めてみようといった趣旨の本です。いつもの散歩で自然を感じられたらもっと楽しくなるはずです。まずは気になる木を感じるところから初めてください。

・樹木と遊ぶ図鑑  おくやま ひさし著

葉っぱ遊び、山菜・木の実穫り、クラフトなどいわゆる野遊びについての本です。「うちの子はゲームしか!」と諦めずにトライしてみてください。イベントに出展していたときなど、こんな野遊びの実演をしていましたが、けっこう子供の受けはよかったです。

・天然おくすり  池田 明子著

・自然くすり  森田 敦子著

キハダという樹木がよく周辺にあって、皮をめくると鮮やかな黄色でいかもにも胃腸薬という匂いがします。観察会で人気の木でした。おなじみの常備薬はけっこう自然の樹木が原料だったりします。

自然の植物が体や心を健康にしてくれると思うと、見えてくる自然の景色が変わってくるかもしれません。

・香りを楽しむ庭木の本  三上常夫・若林芳樹著

自然の草木の香りを嗅ぐというのは自然観察で一番の人気でした。特にクロモジという低木はよく周辺にあり、香水の原料になるくらいでいい匂いがします。是非香りも楽しんでください。

(友木) 

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