~禅定-心を落ち着け自分を見つめる~ (小西山禅定寺) ~名言地産地消(9)~

~禅定-心を落ち着け自分を見つめる~
(小西山禅定寺)
~名言地産地消(9)~

丹後は多くの名士を輩出した。その名言を今丹後に暮らす我々が地産地消していこう。

「すべての苦難、悩みは、禅定(座禅して心を落ちつけ、自分を見つめること)に行きつくのである。だから、たとえ線香一本ほどの、ほんのちょっとの間、坐禅をしただけの人でも、そこで真剣に自分と向き合うのなら、生きているうちに知らずに積み重なってしまった数えきれない罪でさえも消えていくだろう。」
白隠禅師座禅和讃より(口語訳:臨済宗萬福寺HP)

江戸時代、白隠禅師(臨済宗)によって禅は、その本来の精神を再生し一般大衆の広まることになります。その本来の精神とは、禅定(心を落ち着け自分を見つめる)ことで、それは日常のちょっとした時間ででも修行できると説いています。
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絹屋佐平治はその臨済宗の小西山禅定寺に断食修行しました。断食といっても午後からだけのようで朝と昼はあったようです。だたし、次の“五観”にて自分を見つめなおさないといけません。

一、      自分にこの供養を受けるに価する資格があるか。
二、      自分の品性、行動がどのようなものであるか。
三、      怒り、貪欲などの悪徳から離脱出来ているか。
四、      食事は身体の健全を保つものと理解できているか。
五、      仏道修行の完成が食事をいただく目的であるか理解できているか。

また、座禅以外にも“公案”いわゆる禅問答があります。目の前の問題を自ら考え、和尚と議論し、目標を設定して解決の方策を出す。つまり“問題解決力”を養う学びの場であったという見方が出来ます。

こういった“学び”を最近では“アクティブラーニング”と呼ばれています。国は従来の暗記中心の受身の授業から、生徒自ら主体に学び、考え、議論し、発表する力を養う授業に変えようとしています。学校の指導要綱、入試問題が大きく変わろうとしています。
300年経った現在、臨済宗の学校法人で、昔ながらの禅の修行を基にしたアクティブラーニングが実践されます。
(ご参考:http://smizok.net/education/subpages/aAL_00010(Mori_Hanazono).html

絹屋佐平治の断食祈願は、単に拝んでいたのでなく、禅の修行を通しての問題解決力を養うアクティブラーニングであった思われます。そうでなければ、「土地繁栄の業(わざ)を始めん」とか「多年工夫をこらすといえども得ることなし」などが寺に記録に残るはずがありません。寺は、いわゆる寺子屋であって、当時は学校だったんです。

アップルの創業者、スティーブ・ジョブズ氏も17歳のころから、毎朝鏡に向かって、自分を見つめることを実践していたとのことです。

「もし今日が人生最後の日だったら、今日やることは本当にしたいことなのか?この問いに「NO」が何日も続くのなら、なにかを変えなくてはならない。
一日一日を人生最後の日のように生きれば、いつの日か自分がただしい場所にいることに気づくだろう。」(スティーブ・ジョブズ)

ここまでストイックでなくても、白隠禅師が説く“線香一本をあげる修行”といった程度に自分を見つめ、「今日一日こんなことがあった」と家族で話をするだけでも、十分アクティブラーニングになるのかもしれません。

あなたの今日一日はどんな日でしたか。(友木)
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注)「江戸時代人づくり風土記 26ふるさとの人と知恵 京都」(農山漁村文化協会)を基に記述いたしました

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