「敵は我に有り」 (野村克也 弱者の流儀 ~その2~ 謙虚に自分を見つめよ) ~名言地産地消(36)~

「敵は我に有り」

(野村克也 弱者の流儀 ~その2~ 謙虚に自分を見つめよ)

~名言地産地消(36)~

丹後は多くの名士を輩出した。その名言を今丹後に暮らす我々が地産地消していこう。

野村克也ベースボールギャラリー 特別展 ~再開しています~
場所:アミティ丹後  (京都府京丹後市網野町)

野村克也ベースボールギャラリー

南海ホークス応援歌
南海魂/あゝ栄光の南海ホークス(ロックver.)
※南海魂の歌手は、京丹後市出身の東 蓮(azuma ren)さんです。野村克也ベースボールギャラリー 特別展 ~開催中~

場所:アミティ丹後  (京都府京丹後市網野町)

野村克也氏の「人生観」が、野村ノートの中にメモ書きとして残っている。

1.「思考が人生を決定する」。

  考え方が取り組み方になり、人間形成となる。

2.人は「存在観」と「価値観」をもって生まれるもの。

  すなわち「存在するため」と「生きるため」。

3.「仕事の評価」と「人間性の評価」は相重なっているものである。

  したがって評価に始まって、評価に終わると言える。

  「自己の能力は他人の評価を通じて知る」。

4.人生の大半は自分の闘いである。

  その敵は「我欲」、「怠け心」、「油断」、「弱気」、「あきらめ」である。

  「山中の賊を破るは易し、心中の賊を破るは難し。」と心得よ。 

5.人生を生き抜くうえでなくてはならないエンジンとは

  「理想」と「情熱」と「信念」である。

「追悼 野村克也」 サンケイスポーツ特別版 野村ノートのメモより抜粋 ※「山中の賊~」の格言の出展は王陽明の「与楊仕徳薛尚誠書」です。

画像の説明

私はこのメモを読んで、これは野村克也氏が監督時代、春のキャンプで指導してきたそのものではないかと思えるのです。野球選手が成長するに、体力も技能も精神もとにかく自分を見つめることも不可欠です。しかも、より自分に厳しく、より謙虚に見つめることがより良き自分になっていくと説くのである。

そして、この人生観を持つには、「自分は才能がある(強者)」と思う心が邪魔をすると説く。才能があると思えば、自分にはどうしても甘くなってしまうのである。自分を弱者と思うからこそ、謙虚に自分を見つめることが出来ると説くのである。

野村克也氏は、「ヤクルトの監督時代が春のキャンプが一番うまくいった。選手は素直に自分の話を熱心に聞いてくれた」と回想されている。ヤクルトは長らく強豪であったし、選手は引退後も指導者、解説者として活躍していった。春のキャンプで自分を見つめた成果であったのだろう。

画像の説明

敵我有(敵は我に有り) 野村克也氏直筆   ※野村克也ベースボールギャラリーで展示

「自己の能力は他人の評価を通じて知る」とは、意外な言葉である。野村克也氏は国民栄誉賞を受賞されてもおかしくないのに世間では評価は高くない。また無用にたたかれてもいる。でも他人の評価は受け入れるのが弱者の流儀だと説く。

「人間は、誰しも他人の評価の中で生きている。どうしても自己評価は甘くなりがちだから、「こんなに練習をしているのにチャンスがもらえない」「監督やコーチは自分のことを分かっていない」「球団は俺を評価してくれない」などと不満をいだくことのになる。

これは、決してプロ野球の世界に限ったことでなく、おそらく会社員なおどであっても「上司が自分を理解してくれない」「俺の方が仕事ができるのに、何であいつはばっかり評価されるんだ!」「などといった不満持っている人は多いだろう。だが、肝心なのは自己評価だ。言ってしまえば、他人の評価がすべてだ。

そもそも自己評価が正しいとしている前提がおかしい。「自分で自分のことを客観的にとらえる」などと言うけれど、それは容易ではない。どんなに研鑽積んでも、自分の自分に対する評価は甘くなるものなのだ。逆に、他人の評価は厳しいことが多い。だから不満につながってしまうのだが、私は他人からの評価も謙虚に受け止めなければならないと思う。」

「弱者の流儀 野村克也31の考え」 野村克也著/ポプラ社 より引用しています。

つまりは評価に不満があっても、「腐ったら終わり」なのである。腐るより、甘えが生まれている自分に対する警鐘だと思って、踏ん張れば本当の力がついてきて、周りから評価されるようになると説いているのである。

野村克也氏は、敵我有(敵は我に有り) という「書」をよく書かれていた。これは目の前の人が「敵」に思えることがあっても、自分の中にこそ「敵」がいるんだと思えということも、言っているのかしれません。

画像の説明

地元の少年野球を指導する野村克也氏    ※野村克也ベースボールギャラリーで展示

野球選手の春のキャンプは、誰もの人生では学校に通う「弱年」期にあたります。野村克也氏は多くの新人を預かった経験から、自主性のある素直な選手が成長していったという。そして、「多くの人は自主性を自分勝手と勘違いしている子が多い」という。

「自主的考えて、素直な心で、壁に挑む」

そんな姿勢が結果を出せるとのことです。子供向けの言葉で野村克也氏の名言を語れませんしたが、皆さまのお子様を導いてあげてください。(友木)

コメント


認証コード5133

コメントは管理者の承認後に表示されます。